相川眼科

目の病気

ご自分の目の病気について理解を深めていただくために、以下に代表的な6つの病気を簡単に説明しています。

白内障

症状

かすむ、今まで何とも無かった程度の陽射しでもまぶしい、といった症状があれば白内障の可能性があります。

原因

眼の中にあるレンズ(水晶体)が混濁することにより起こります。原因の多くは加齢によるものですが、
糖尿病・アトピー性皮膚炎・以前ケガをした・長期のステロイド治療などによって起こることがあります。

検査

視力検査 細隙灯顕微鏡検査 眼圧測定 散瞳眼底検査

治療

点眼薬がありますが、効果は進行をやや遅らせる程度しかありません。
日常生活に支障をきたすようになった時点で手術を受けられるのが良いでしょう。
極度に進行してしまうと緑内障を併発したり、手術の難易度が上がってしまいます。

緑内障

症状

原因によってかなり異なります。
困ったことに、初期は自覚症状がほとんど無いものが多数です。
一方、急に眼が痛くなり、吐き気・頭痛を伴って発症するものもあります。
どちらも、進行すれば視野がだんだん狭くなってしまいます。

原因

視神経という、眼から脳へ情報を送る神経が障害を受けることにより起こります。
障害を引き起こすのは、眼の内部の圧力(眼圧)が神経に負担をかけることが主とされますが、最近は眼内の血液の流れについても関係があることが分かっています。
また、長期ステロイド治療を受けておられる方や、ぶどう膜炎などの他の病気によって起こることがあります。

検査

視力検査 細隙灯顕微鏡検査 眼圧測定 散瞳眼底検査 視野検査

治療

原因により異なります。
基本は点眼薬ですが、原因や進行度合いによりレーザーや手術が必要となることがあります。
大切なのは、いかに早い段階で発見し治療を開始できるかです。
40歳以上の方、アトピー性皮膚炎で長期ステロイド治療をうけておられる方は一度受診をお勧めします。

花粉症

症状

かゆみ、充血、目やに、乾燥感があり、鼻炎を伴うことが多いのはよくご存知だと思います。

原因

花粉症はアレルギー疾患の一つです。アレルギー性結膜炎は「Ⅰ型(即時型)アレルギーが関与する結膜の炎症性疾患で何らかの自他覚症状を伴うもの」とされます。
他に、アトピー性結膜炎や春期カタル、巨大乳頭結膜炎があります。
花粉・ハウスダスト・動物・食物、その他異物に対する体の過剰反応で起こります。
症状の発現が季節性のものが季節性アレルギー性結膜炎で、その中でも花粉が原因のものを花粉症と呼びます。一年を通してある程度の症状があるものは通年性アレルギー性結膜炎です。
ドライアイの項目でも書いておりますが、アレルギーでも軽度のものは、ドライアイと区別がつきにくい事があります。

検査

細隙灯顕微鏡検査 血液検査

治療

症状に応じステロイド以外の薬や、ステロイドの点眼や内服・注射を使い分けます。
また、アレルゲン(花粉・ほこり・動物の毛やフケなど)、刺激(寒い日の外出など気温の変化)を避けましょう。
飲食物もアルコールや香辛料、タケノコなどの山菜はアレルゲンではありませんが症状を悪化させる事があるので、できたら避けた方がよいでしょう。睡眠などの生活のリズムを保つ事も大切です。
これらはアレルギー性疾患に共通です。

アトピー性皮膚炎

症状

全身の皮膚に、かゆみを伴う発疹が出るのはよく知られていますが、重症になると、眼に関しても視力が落ちたり、更に角膜潰瘍、白内障、緑内障、網膜剥離など重大な病気を引き起こします。

原因

アトピーはアレルギー疾患の一つですが、免疫異常や細胞接着異常を生じます。またかゆみのため眼をこするなどの刺激により、網膜剥離や白内障を起こしやすくなります。
角膜も傷つきやすく、混濁や潰瘍を生じやすくなります。

検査

視力検査 細隙灯顕微鏡検査 眼圧測定 散瞳眼底検査

治療

症状に応じステロイド以外の薬や、ステロイドの点眼や内服・注射を使い分けます。
ステロイドは過度になると眼圧上昇などの副作用がありますが、いっぽう使用しないことで、かえって上述したような重病へ発展する可能性を増やすことがあります。
いたずらに怖がるのでなく、必要な検査・治療は受けて頂くのが良いでしょう。

糖尿病網膜症

症状

初期は自覚症状はありませんが、進行すると網膜がはれ上がったり、出血により視力低下をきたし、さらに進むと網膜剥離や緑内障を起こします。

原因

糖尿病は血液中の糖分が高くなりすぎるために、血管が破壊されていく病気です。
そのため体の中でも、血管の多い場所・多くの血液供給を必要とする部位が影響を受けやすい、と言えます。
網膜は光を感ずる神経組織ですが、その働きを維持するために多量のエネルギーを必要とします。血管の働きが悪くなると、エネルギーを運ぶ役目をする血液が不足して障害を受けます体の方もやられっぱなしで、だまっているわけではありません。
不足分をまかなうべく、新しく血管を作りはじめます(血管新生)。
「どんどん血管ができるのは、良いことではないか」と思われることでしょう。
しかし残念ながら、これは本来の血管の働きをしません。それどころか、網膜の新生血管は間もなく増殖膜という組織に姿を変え、さらに障害を強め、最終的に網膜剥離にいたります。
また、網膜だけでなく隅角というところに新生血管を生ずると、眼圧が上昇して緑内障を起こします。

検査

視力検査 細隙灯顕微鏡検査 眼圧測定 散瞳眼底検査 螢光眼底造影検査

治療

初期であれば、血糖コントロールを良好な状態に保つことが唯一かつ最善の治療です。
しかし、ひとたび一線を越えてしまうと、たとえ血糖コントロールは回復しても、眼は悪化が止まらなくなることがあります。そうなるとレーザーや硝子体手術が必要となります。

ドライアイ

症状

乾くような感じもそうですが、かゆみや充血が強いと「アレルギー性結膜炎」のような症状が出ることがあります。(実際、ドライアイとアレルギー性結膜炎の両方出ることはよくあります)
また、眼が疲れる(眼精疲労)、視力が不安定になるなど、不調の原因が他にあると思い込んでおられる方も、実はドライアイが原因という場合が結構多いです。

原因

大きく2つに分けられます。
1つは、涙の蒸発が多すぎるもの(蒸散過多型)です。涙は水分だけでなく、水とは相反するようですが「油」(脂質)や、「ムチン」その他が微妙なバランスを保って存在しています。そのバランスが崩れると水分が簡単に蒸発してしまうようになります。
もう一つは、涙の量が減ってしまうもの(分泌減少型)です。
涙を作る働きが悪くなることで起こりますが、涙だけでなく唾液の量まで減ると虫歯にかかりやすくなり、シェーグレン症候群という病気のことがあります。

検査

視力検査 細隙灯顕微鏡検査 涙液分泌検査

治療

涙を補うための点眼薬や、少ない涙でも有効利用できるようにする涙点プラグがあります。